Article妊娠初期にやってはいけないことは?注意すべき姿勢や行動、食事を解説
コラム 2024.11.23
妊娠がわかると、喜びとともに妊娠生活で何に気をつけなければいけないか気になるでしょう。妊娠初期は、まだお腹が大きくなっていなくてもホルモンのバランスが変わり、体調も変化しやすくなります。子宮を圧迫していないか気になってどんな姿勢で過ごせばいいのかわからない、何を食べていいのか悩むということも多いと思います。
本記事では、妊娠初期にやってはいけない姿勢や運動、食事などの行動について詳しく解説していきます。ぜひ参考にして妊娠生活の不安を減らしてより健康に過ごしてください。
妊娠初期にやってはいけない行動や気をつけたいこと
妊娠するとまだお腹は出ていなくとも、体がだるくなり、眠気に襲われて早くも体調の変化を感じている方もいることでしょう。なかには頭痛や吐き気など、つわりの症状が出ている方もいるかもしれません。日常生活の中で、妊娠初期に避けた方がいい行動はいくつかあります。ここでは妊娠初期に避けた方が良い行動や、対処方法も含めて、解説していきます。
自転車や車の運転
妊娠中は、ホルモンバランスの変化で眠気が強くなりやすくなります。注意散漫になりやすいため、できるかぎり、車の運転は避けるようにした方がいいでしょう。運転を代わってもらうか、タクシーやバス、電車を利用しましょう。妊娠初期はお腹もそこまででていないので、いつも通りシートベルトもできますが、お腹がでてきた時は、圧迫しないように位置を調整します。
自転車にもできるだけ乗らないようにしましょう。バランスを保ちづらいため、転倒の危険性や、急ブレーキなどをかけてお腹を圧迫してしまう可能性があります。
激しい運動をする
妊娠初期はまだお腹が大きくなっていないとはいえ、ホルモンの影響で体のバランスを取りづらくなっています。ジョギングやサイクリングなど心拍数が上がるような激しい運動や、胎児にも負荷がかかるため避けるようにしましょう。ゴルフやダンスのように腰をひねる動作や、重たい荷物を持つと、腰痛や背筋痛を引き起こす原因になります。また、登山やボルダリング、球技など怪我をする、転倒する可能性があるスポーツは危険です。
とはいえ、妊娠中の健康を維持し出産までに体力をつけるためにも、全く運動をしないというのもよくありません。医師に相談の上、ウォーキングや、マタニティヨガ、マタニティスイミングなど妊娠中にできる運動を選んで行いましょう。
医師に相談せずに薬を服用する
妊娠中も体調が悪くなったり、風邪を引いたりして薬が必要となることもあるでしょう。母親から赤ちゃんに胎盤を通して酸素や栄養が送られるのと同様に、薬によっては胎盤を通過するものもあります。
妊娠初期は、赤ちゃんの器官や体の組織が作られ、特に妊娠4〜7週目は薬の影響を受けやすい時期です。薬の種類によっては胎児の成長を遅らせるものや、羊水を減少させるものもあるため、必ず医師に相談し、自己判断での服用は避けましょう。内服薬に限らず、湿布などの外用薬も影響があるため注意が必要です。
また、サプリメントを利用する時も医師に相談するようにしましょう。特にビタミンAやイソフラボンを含むサプリメントの摂取には注意が必要です。過剰摂取によって、胎児の器官形成に異常を来したり、ホルモンバランスが崩れたりする可能性があります。
妊娠初期にやってはいけない姿勢
妊娠初期はまだお腹が大きくなっていませんが、お腹が大きくなってから座っているときのおすすめの姿勢はあぐらです。あぐらを組むことにより股関節の柔軟性を高め、骨盤の出口が広がりやすくなり、出産時に赤ちゃんが出てやすくなります。
急に姿勢に意識を向けようとしてもなかなか習慣づきません。お腹が大きくなる前から、子宮を圧迫しないような姿勢や自分の過ごしやすい姿勢を取るように心がけましょう。
座っているとき
座っているときは、お腹を圧迫しないように背筋を伸ばしましょう。前屈みになるとお腹や内臓が圧迫されて苦しくなるばかりか、猫背になると腰に負担がかかります。
立っているとき
妊娠初期から、分泌されるホルモンの影響で靭帯や筋膜が緩みやすくなり、体のバランスを保つのが難しくなります。ヒールの高い靴は避けてバランスの取りやすい靴を履き、転倒に注意しましょう。
立位は妊娠中期以降にお腹が大きくなるにつれて、胎児の重みで子宮が収縮しやすくなる姿勢です。長時間の立ちっぱなしは、腰痛の原因になるだけ出なく、切迫流産や切迫早産のリスクが上がります。
お腹が大きくなる前に、転倒しないように足の指で踏ん張る習慣をつけ、こまめに座るように意識してみてください。重たい荷物を持つことも、お腹に力が入って子宮が収縮したり、腰痛になりやすかったりと負担が大きいため避けるようにしましょう。
寝ているとき
一般的に妊娠初期は、寝るときはどんな姿勢でも問題ないですが、妊娠12週くらいになるとお腹が出てきます。うつ伏せは、子宮が下大静脈という大きな血管を圧迫します。血圧が下がって気分が悪くなり、子宮の血液循環も悪くなるため、うち伏せは避けて横向けや仰向けで寝るようにしましょう。
また、妊娠中は下半身がむくみやすい状態です。足のむくみが気になるときは、クッションを使って足を高く上げると楽になりやすいでしょう。シムス位と呼ばれる、体の左側を下にして横になり、クッションなどを足に挟んだ姿勢もおすすめです。
妊娠中に気をつけたい食事
妊娠したらお酒やタバコは控えて食事にも気をつけようと意識し始める方や、妊娠前から注意している方も多いでしょう。ここでは、妊娠中に取りすぎない方が良い栄養素など食事について解説していきます。
飲酒や喫煙、カフェイン
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させてしまうため、胎児への酸素や栄養が届きにくくなります。早産や流産の危険性が高まると言われています。ご自身はもちろん、家族が喫煙している場合は吸わないようにお願いしましょう。
飲酒は、胎児性アルコール症候群が起こる可能性があります。アルコールは胎盤を通過して赤ちゃんへ運ばれますが、赤ちゃんの肝臓は未熟で大人のようにうまく代謝できません。赤ちゃんの脳の障害や発達遅延を引き起こすことがあります。早産や流産の可能性もあり、禁酒するようにしましょう。
カフェインも胎児の発育を阻害する可能性があります。厚生労働省のサイトでは、カフェインの過剰摂取に注意し、妊婦は1日の摂取量を200mg(コーヒー2杯程度)までに制限するように呼びかけられています。
生モノの摂りすぎ
妊娠中は、食中毒を起こしやすく、感染すると子どもにも影響を及ぼす可能性があります。
生の肉にはトキソプラズマという寄生虫が含まれていることがあり、胎児の水頭症や視力障害、運動障害などを引き起こす危険性があります。生ハムやチーズはリステリア菌、生卵や生の魚はサルモネラ菌に感染しやすい食品で、早産や流産のリスクがあります。これらの菌は加熱によって死滅するものが多いため、生物の取りすぎには注意し、火をしっかり通して食べるようにしましょう。
ヨードや水銀、レチノールなどの栄養素魚に含まれている水銀は、成人には問題ない量でも、胎児の先天性以上を引き起こす可能性があります。特にマグロや金目鯛など大型の魚に含まれている量が多くなるためできるだけ控えるようにしましょう。
ただし魚には、妊娠中に摂取したいタンパク質やDHA、EPAなどの栄養素が含まれています。大型の魚は週に1回まで1回80g程度に抑えるのが目安です。イワシやサンマ、アジなど小さめの魚では水銀の含まれている量が少ないため、特に注意する必要がないと言われています。
塩分、脂質や糖質の高い食事
塩分の摂りすぎは、妊娠高血圧の原因ともなります。漬物や、ハム・ウィンナーなどの加工食品など塩分が多いものは避けるようにしましょう。薄味を心がけ、醤油や塩の代わりに出汁や酢、柑橘類などの調味料を使用するのがおすすめです。
妊娠中はエストロゲンなどのホルモンの分泌が増えることでコレステロール値が高くなりやすい状態のため、脂質の高い食事は控えた方が良いでしょう。また、脂っこいものや辛いものは消化しにくくたくさん食べるとお腹を壊しやすくなります。
糖質に関しても、妊娠することで胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリンが働きにくくなり血糖値が上がりやすくなります。妊娠糖尿病に発展することもあるため、糖質の高い間食や食事はなるべく控えてバランスの良い食事を心掛けましょう。
まとめ
妊娠初期にやってはいけないことについて解説しました。しかし、これをしては絶対ダメだと自分に厳しくしすぎることでストレスにもなります。楽な姿勢を見つけたり、コーヒーやアルコール以外で好きな飲み物を用意したりするなど、過ごしやすい生活スタイルを探してみてください。
車の運転を代わってもらう、重たい荷物を持ってもらうなど人に頼る機会も増えるでしょう。自分のためだけでなく、お腹の赤ちゃんのためと思って上手に人の力を借りられると良いですね。やってはいけないことにとらわれすぎず、出産して赤ちゃんに会えることを楽しみに過ごすと良いでしょう。