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Article安心して出産を迎えるための妊娠後期の過ごし方

コラム 2024.11.21

安心して出産を迎えるための妊娠後期の過ごし方

「出産までの妊娠後期を快適に過ごしたい」

「妊娠後期はさらにお腹が大きくなり大変そう…」

「妊娠後期にやっておいたほうがいいことを知りたい」

妊娠後期(28〜40週)は赤ちゃんの成長も著しく、お母さんの体も出産にむけての準備が始まる大切な時期です。さらにお腹が大きくなるため出産が近づいている実感とともに、期待と不安も入り混じる時期です。

本コラムでは、妊娠後期の快適な過ごし方のポイントや、妊娠後期に確認しておきたい点について解説します。妊娠後期に表れやすい体の症状や対策についても解説しますので、参考にしてみてください。

妊娠後期|快適な過ごし方4つのポイント

妊娠後期はお腹も大きく膨らみ胎動も活発になるため、より赤ちゃんの存在を感じながら出産へ意識が向く時期になります。妊娠後期を快適に過ごすためのポイントは、以下の4つです。

  • 胃にやさしい食事をとる
  • しっかり睡眠と休息をとる
  • 適度な運動を取り入れる
  • 夫婦や家族の時間を楽しむ

それぞれについて具体的に解説します。

1.胃にやさしい食事をとる

妊娠後期になるとお腹がさらに大きくなり胃が圧迫されるため、今までのように一回の食事量がとれなくなる場合があります。また、女性ホルモンの変化も影響し、胸やけやげっぷ・吐き気のような「つわり」に似たような症状があらわれる人もいるでしょう。

胃に負担をかけない食事方法には、次のような工夫があります。

  • 満腹になるまで食べず、1回の食べる量を控える
  • 1回の食事量を減らす代わりに、食事の回数を増やす
  • 脂っこいものや刺激物、消化の悪い食事を控える
  • 食後はすぐ横にならないように心がける

出産が近づいてくると赤ちゃんが下に降りてくるため、胃の圧迫感は少し軽減されます。ホルモンの変化やお腹が大きくなるにつれ、運動不足にもなりやすく便秘傾向になるため、食物繊維の摂取も意識するとよいでしょう。

2.しっかり睡眠と休息をとる

妊娠後期はお腹が大きくなり仰向けで眠れなかったり、膀胱が圧迫されて頻尿になりやすかったりと熟睡できないことが増えてきます。体の変化や出産が近づくにつれ、気持ちが落ち着かない日もあるでしょう。

仰向けが苦しい場合は、抱き枕などを使い、横向きや抱き枕にもたれかかるような姿勢が楽に過ごせます。夜間にまとまって熟睡できないときは、日中にも昼寝などの休息を取り入れながら疲れやストレスがたまらないように過ごしましょう。

3.適度な運動を取り入れる

妊娠後期は大きくなったお腹を支えようとして体の重心が移動するため、反り腰になり腰痛になりやすくなります。日常生活のなかで骨盤を立て腰が反らない姿勢を心がけたり、適度な運動もよいでしょう。

妊娠後期にも適している運動には、次のようなものがあります。

  • ストレッチ
  • ウォーキング
  • マタニティビクス

お腹が大きいと足元が見えにくいため、日常の家事や運動は注意しながら無理のない範囲で行いましょう。また、子宮が大きくなることで骨盤底筋がゆるみ尿漏れしやすくなるため、骨盤底筋体操もおすすめです。

息を吐きながら肛門を引き締め、ゆっくり緩める動きは骨盤底筋のトレーニング効果があり、産後の尿漏れ対策にもなります。

4.夫婦や家族の時間を楽しむ

出産後は赤ちゃんを迎えいれ、これまでとは違う新しい生活ペースになります。初めての出産であれば、夫婦2人で過ごす時間を楽しんでおきましょう。

2人の思い出の場所や赤ちゃん連れが難しい場所を訪れるのも、マタニティライフ最後の楽しみとしておすすめです。上のお子さんがいる場合も今の家族で過ごせる時間を大切にしながら、きょうだいが産まれるのを楽しみに待つのもいいですね。

妊娠後期|確認しておきたい4つのこと

出産後の新しい生活は何かと慌ただしい日々が続きます。また、出産予定日よりも早く生まれる可能性もあるため、余裕をもって出産前に準備しておきましょう。

妊娠後期で確認しておきたいことは、次の4つです。

  • 里帰りのタイミングと移動手段
  • ベビー用品や入院グッズの最終確認
  • 入院の段取り
  • 出産前後の手続き

それぞれについて具体的に解説します。

1.里帰りのタイミングと移動手段

出産前から里帰りする場合、帰る場所や交通手段にもよりますが、推奨される時期は妊娠32~35週の間です。妊娠37週の正期産に入るといつ生まれてもおかしくないため、遅くとも妊娠36週までに計画しましょう。

飛行機で帰省する場合は、出産予定日から28日以内の搭乗には診断書が必要になります。里帰りには可能な限り家族が付き添い、繁忙期や混雑する時間帯を避け、事前に必要な荷物は宅配で送るなどして、当日は最小限の荷物で余裕をもって移動しましょう。

2.ベビー用品や入院グッズの最終確認

出産前に準備可能なものについて最終確認しましょう。具体的には、次のようなものがあります。

  • ベビーベッドの組み立てやチャイルドシートの取付け
  • 家の中の配置変え
  • 赤ちゃんの肌着や洋服の下洗い
  • 入院に持参するものをまとめる

出産予定日が近づくほど、遠出は避けたほうが無難です。出先から産院へ直行するケースもあるため、妊娠後期の外出時には母子手帳や診察券、保険証などを常に携帯しましょう。

3.入院の段取り

いつお産が始まっても慌てないよう、入院の段取りや連絡方法について話し合っておきましょう。具体的には次のような段取りを整えておくと、慌てずに済みます。

  • お産が始まったときの連絡先
  • 産院への交通手段や連絡のタイミングの確認
  • 上のお子さんがいる場合の預け先
  • 留守中の家のことや上のお子さんについての共有事項

安心して出産に臨むためにも、妊娠後期に段取りを整えておくのは大切です。

4.出産前後の手続き

出産後は何かと届け出や手続き関連でやらなければならないことが増えます。事前に申請場所や申請方法について確認しておくとよいものは、以下のとおりです。

  • 出生届の提出
  • 出産一時金の申請
  • 赤ちゃんの健康保険の手続き
  • 産前産後の休暇取得
  • 出産手当金(勤務先の会社による)

働いている妊婦さんは勤務先に確認が必要な手続きもありますので、産前休暇を取得する場合は休暇前に確認しておくとスムーズでしょう。

妊娠後期にあらわれやすい症状と対策

妊娠後期は赤ちゃんの成長にともないお腹はますます大きくなり、妊娠前と比べると体重は5~12kg程度増えます。子宮が大きくなることで胃や膀胱が圧迫され、頻尿になったりつわりのような胸やけを感じたりする妊婦さんもいます。

妊娠後期にあらわれやすい症状について、表にまとめました。

症状 原因と対策
お腹のはり ・赤ちゃんで腰や下腹部に負担がかかり子宮収縮しやすい

・張りを感じたら安静にして様子をみる

・安静時も規則的、頻繁に続く場合は早期に受診する

足のむくみ ・子宮が太い静脈を圧迫するため足がむくみやすくなる

・長時間の座る、立つ動作は血行が悪くなり悪化しやすくい

・適度な運動や休息時に足を上げる

腰痛 ・お腹のバランスを保つため、重心が前へ移動し背中が反りやすい

・正しい姿勢やストレッチを心がける

頻尿
尿漏れ
・子宮が大きくなると膀胱が圧迫されて尿の回数が増える

・骨盤底筋のゆるみでくしゃみや咳の拍子に尿漏れを起こしやすい

・肛門を締めるイメージで骨盤底筋を引き締めるエクササイズ

胃の圧迫感 ・大きくなった子宮が胃を圧迫するために起こる

・妊娠初期のつわりに似たような吐き気や胸やけを感じることもある

・1回の食事量を減らし、回数を増やす

肌のかゆみ ・ホルモンバランスの変化、妊娠線ができるときに感じやすい

・かゆみを感じる部分の保湿を心がける

こむらがえり ・足の筋肉の疲労、下半身の冷えや血行不良、ミネラル不足で起こる

・足を適度に動かし、マッサージなどで疲労をためない

・カルシウムや筋肉疲労予防に効果のあるビタミンB1(豚肉・大豆製品)・ビタミンD(魚介類・卵・きのこ)を摂取

妊娠後期は急激な体の変化にともなう症状があらわれやすい時期です。それぞれの症状に対する対策も解説していますので、少しでも快適な妊娠後期を過ごせるように参考にしてみてください。

まとめ

妊娠後期は赤ちゃんが著しく成長し、お母さんのお腹も徐々に大きくなり出産への楽しみと緊張感も感じる時期です。食事管理や運動・休息など基本的な体調管理が重要で、決して無理をせず精神的にもリラックスして過ごすことが母子にとって重要です。

また、出産を控えたタイミングで入院や出産に必要な物品や段取りを最終確認し、里帰りを計画している人は適切な時期に移動を済ませましょう。

お腹が大きくなるにつれ、腰痛や胃の圧迫感、頻尿など妊娠後期にあらわれやすい症状もあります。周りの協力も得ながら安心して出産を迎えられるよう、妊娠後期の過ごし方を参考にしてみてください。

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