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Article妊娠初期に腰痛がひどい原因は?改善策や注意点、気をつける症状を紹介

コラム 2025.02.23

腰痛が気になる妊婦

妊娠初期から生じる不調でよくあるのが腰痛です。「妊娠前は腰痛がなかったのに」「まだお腹が大きくなっていないのに」と戸惑われる方も少なくありません。妊娠初期はつわりなど不調が現れやすいにも関わらず、腰痛まであると日常生活に影響があることも少なくありません。また、流産の兆候ではないか心配という方もいらっしゃるでしょう。

 

本記事では、妊娠初期からなぜ腰痛が生じるのか原因や、改善方法についてご紹介します。妊娠中は、運動や湿布の使用、整体に行くにあたっても、赤ちゃんに影響を与える可能性があるため注意が必要です。自己判断で対処するのではなく、ぜひ本記事を参考に主治医と相談しながら腰痛の改善に取り組んでください。

 

妊娠初期になぜ腰痛?

妊娠中期〜妊娠後期のお腹が大きくなった頃に腰に負担がかかって腰痛になるのはわかるけれど、なぜ妊娠初期から腰痛があるのか疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。ここでは妊娠中の特に初期から腰痛が生じる原因について解説します。

 

 

女性ホルモンの影響で靭帯が緩くなる

妊娠すると、腰回りの関節や靭帯を緩めるリラキシンやエストロゲンという女性ホルモンが分泌されます。これは、赤ちゃんが生まれてくるときに産道を通りやすくするためです。そして緩くなった靭帯などを支えるために周囲の筋肉が緊張し凝り固まりやすくなることで腰痛が生じます。

 

リラキシンは妊娠初期から分泌され、エストロゲンも妊娠初期から分泌量が増え始め妊娠経過が進むにつれてさらに増えます。そのため、妊娠して早い段階で腰痛を感じる方が多くなります。

 

運動不足や同じ姿勢で過ごすことで筋肉が固くなる

妊娠初期は、つわりやホルモンバランスの変化でなんとなく不調が続くという方も多いと思います。体調が悪いと、動けなかったり、動くのがおっくうになったりしがちです。生活スタイルが変わって、日常生活で歩く距離が減ったり、横になって過ごす時間が増えたりする方もいらっしゃるでしょう。

 

同じ姿勢が続くと、筋肉が凝り固まることで腰痛になってしまうことがあります。また、運動不足によって、筋肉量が低下することも腰痛の原因です。

 

妊娠初期の腰痛を改善する方法は?

妊娠初期の腰痛は、正しい姿勢で過ごす、腰回りを温めるなど日常のさまざまな工夫で軽減することができる場合が多いです。しかし、妊娠中は腰以外にも子宮への圧迫を避けて、赤ちゃんへの影響がないよう注意するべきことがあります。ここでは、妊娠中の腰痛の改善方法についてご紹介します。

 

正しい姿勢を心がける

・立っているとき

「お腹が大きくなる」「赤ちゃんがいる」と思うとお腹を突き出した姿勢やお腹を守るような姿勢になることも少なくありません。反り腰や猫背になると腹に負担がかかってしまいます。立っているときは、頭のてっぺんから引っ張られているようなイメージでまっすぐに立ちましょう。

 

・座っているとき

座るときは、仙骨を立てるようにして背筋を伸ばします。椅子に座る場合は、背もたれと背中の間にクッションを挟み、深く腰掛けると背筋を伸ばしやすくなります。足を組んだりしないようにしましょう。床に座るときは、あぐらや正座が腰に負担がかかりにくくなるためおすすめです。ただし、長時間同じ姿勢で過ごすのはよくありません。

 

・寝ているとき

仰向けに寝ると腰に負担がかかる上、お腹が大きくなると子宮によって血管が圧迫されることで、低血圧を起こしやすくなります。妊婦が寝るときのおすすめの姿勢は、左を下にして横向きになるシムス位です。抱き枕を上手に利用して、リラックスして過ごしてください。

 

骨盤ベルトを使用する

腰痛の改善や予防には、骨盤が安定して腰の負担を軽減してくれる骨盤ベルトがおすすめです。関節や靭帯が緩みやすくなる妊娠初期から使い始めるとよいでしょう。ただし、巻き方が緩かったり、正しい位置にきちんと装着ができていなかったりすると、腰回りをうまく支えることができません。効果を発揮しないばかりか、お腹を圧迫してしまうこともあります。

 

正しい装着の位置は、腰の一番出ている大転子と呼ばれる部分と恥骨を結ぶライン上に巻き、お腹を避けるようにします。初めて装着するときは位置が分かりにくいので、産院で教えてもらうとよいかもしれません。骨盤ベルトは、妊娠初期から出産後まで使用します。肌にやさしい素材のものやサイズが調整できるものを選ぶと長く使えるでしょう。

 

体を冷やさず温めるようにする

体が冷えると筋肉や関節が凝り固まるため、全身を冷やさないように気をつけて腰回りを温めるとよいでしょう。靴下やストールなどを活用して首や足首の露出を避け、腰回りはマタニティ腹帯の使用がおすすめです。

 

腰回りにカイロを貼ると血流がよくなり、筋肉もほぐれやすくなります。低温やけどには注意して長時間の使用は避けましょう。また、シャワーで済ませず、湯船に浸かるのもおすすめです。妊娠中はのぼせやすいため、長湯や熱いお湯に浸からないようにして、リラックスしましょう。

 

マタニティ整体を受ける

プロの力を借りて腰痛を改善するなら、整体を受けるのもよいでしょう。全身の筋肉をほぐしてもらうことで、腰痛だけでなく、恥骨痛や肩こり、頭痛、むくみなど他の不調も改善が期待できます。

 

通常の整体では、刺激が強い場合や子宮や卵巣を押してしまう可能性があります。妊婦を専門としたマタニティ整体では、妊娠中に圧迫しないほうがいい場所などを理解して行うため安心です。妊娠していても楽な姿勢で施術を受けられるように配慮してもらえるでしょう。体調に合わせてやさしく施術してもらいましょう。

 

妊娠中の腰痛に関連してよくある質問

妊娠初期の腰痛の原因や対処方法がわかったところで、痛みが強いときは病院に行った方がいいのか、薬を飲んでもいいのかなど気になることも多いと思います。ここでは、妊娠中の腰痛に関連したよくある質問をまとめました。

 

危険な場合はある?気をつける症状は?

腰痛が治らない、激痛で立てないほどつらいというときは、すぐに病院を受診してください。しびれなどがある場合は腰椎ヘルニアなどの他の病気の可能性もありますまずは、妊娠の経過がよくわかっているかかりつけの産婦人科に相談しておくほうがよいでしょう。

 

自分では腰痛だと思っていても、実は子宮から来るお腹の痛みという可能性があります。また、腰痛とあわせて不正出血がある場合やおりものがいつもと違う場合、発熱などの症状がある場合は注意が必要です。子宮や膣の感染症を起こしていることや、胎盤に異常を来たしているなど、流産につながる可能性もあります。

 

薬を飲んだり、湿布を貼ったりしてもいい? 

妊娠中は薬の種類によりますが、内服薬も貼付薬も成分が血液に乗って赤ちゃんに運ばれる可能性があります。普段使用している薬であっても、妊婦には使用できない薬かもしれません。特に妊娠初期は、赤ちゃんの臓器が形成される大切な時期です。

 

自己判断で市販薬を使用するのはよくありません。病院を受診して、腰痛に関連して妊娠の経過に異常がないかきちんと症状を診てもらいましよう。その上で、妊娠中にも使用できる薬を処方してもらうとよいでしょう。

 

運動はしてもいい?

運動により、筋肉がほぐれることや血流がよくなることで腰痛の改善が期待できます。出産に向けて体力をつける、気分転換になるといった腰痛改善以外にもメリットがあるため、取り組んでみてください。運動を行う際は必ず主治医に相談してから行いましょう。

 

日常生活に取り入れやすいウォーキングや、妊婦向けのマタニティヨガやマタニティスイミングがおすすめです。ただし、妊娠初期は、まだ胎盤が出来上がっておらず不安定な時期です。軽い運動や慣れた運動のみにして、新しい運動を始める場合は妊娠中期になってからにしましょう。妊娠中は体調を崩しやすいため、無理せず立ちくらみや頭痛、お腹の張りなどに注意してください。

 

まとめ

妊娠前は腰痛がなかった方からすると、お腹が大きくなる前に腰痛があるのは意外と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、女性ホルモンの影響もあり妊娠初期から腰痛を感じる方は少なくありません。

多くの場合は、妊娠の経過に伴うものですが、痛みが我慢できないときや不正出血があるときは流産につながる症状かもしれません。自己判断で対処するのではなく、必ず病院で医師に相談するようにしましょう。

 

正しい姿勢を整える、軽い運動を行うことで痛みが軽減したという方も少なくありません。妊娠初期から腰痛に対処しておくことで、お腹の大きくなる妊娠後期の腰痛も予防しやすくなるため、ぜひ取り組んでみてください。

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