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Article出産の痛みはどれくらい?自然分娩の痛みを段階的に解説!緩和方法まで

コラム 2024.10.11

陣痛を我慢する産婦

出産が近づくと、赤ちゃんに会えるのは嬉しいけれど、痛みを我慢できるか心配という方は多いでしょう。出産を経験したことがない方が不安になるのはもちろん、経験した方も痛みに耐えられる自信がないという声もあります。

 

出産に関連した痛みが、どれくらいの強さか、どれくらい続きそうなのかイメージしておくことで、心の準備をしやすくなるでしょう。また、リラックスして過ごすことで痛みが緩和されやすくなったりします。本記事では、出産に伴う痛みについて、痛みの強さや痛みの場所、緩和する方法について紹介します。

出産の痛みってどんな感じ

出産に伴う痛みは、以下のように例えられることがあります。

・スイカを鼻から出すような痛み

・生理痛を何倍も強くした感じ
・強い下痢のような痛み

・ハンマーで殴られたような痛み

・気を失いそうな痛み

 

痛みの感じ方には個人差があるため、一概には言えませんがかなり強い痛みであると感じた方が大半のようです。痛いとわかっていたけれど、想像していた以上だったと感じる方もたくさんいらっしゃいます。

 

なかには、「途中で辞めたくなった」「帝王切開や無痛分娩に切り替えたいと思った」と話される方もいます。まれに「我慢できなくはなかった」という方もいますが、痛みに対して何かしらの心づもりをしておくほうが良さそうです。

 

出産過程に伴う痛みの場所

陣痛が起きたら、すぐに耐えられないような強い痛みが始まるかと言えばそうでもありません。痛みの強さは段階ごとに異なり、出産が近づくにつれて強くなっていきます。また、痛む場所もお腹から始まり、腰や、会陰部、肛門なども痛くなってきます。痛みがどのような過程を経るのか解説していきます。

前駆陣痛

出産前の本格的な陣痛(本陣痛)の前に、前駆陣痛と呼ばれるお腹の張りや痛みを経験することがあります。

妊娠36週以降に、出産に向けて子宮が収縮することで起こりますが、本陣痛と異なり痛みが起こる間隔は不規則です。持続する時間もバラバラですが、数時間で消失することが多いようです。前駆陣痛は全員に起こるわけではないですが、初産婦の場合は前駆陣痛が起きて数日後に本陣痛が始まることが多いと言われています。

 

生理痛のような痛みと表現されることが多く、痛みと併せて胃のあたりに違和感や圧迫感があるということも多いようです。痛みの強さや起こるタイミングに関しては、個人差がありますが、夜間によく現れることが多く、眠れなかったという方もいらっしゃいます。

 

陣痛が始まってからいきみ始めるまでの痛み

陣痛は、赤ちゃんを押し出すために子宮が収縮することで起こります。痛みがあるときと痛みがないときを繰り返し、その間隔が次第に規則的になり、短くなります。10分おきに痛みが来るようになると、「陣痛が始まった」と言われる状態になります。

 

陣痛が始まったときは、お腹の下の方から腰にかけて痛みがあり、生理痛程度で会話できるくらいの痛みであることが多いようです。

 

分娩が進むにつれて、赤ちゃんが出て来られるように子宮の収縮も強くなり子宮口も開いていきます。それに併せて、痛みがどんどんと強くなり、腹部や腰も痛みを感じる範囲が広くなっていきます。また、痛みを感じる持続時間も長くなり陣痛の間隔もどんどんと短くなります。陣痛間隔が1〜2分、子宮口が8cmから全開大(約10cm)まで開くようになると、外陰部・肛門にも圧迫感を感じるようになります。この頃に分娩台へ移動していきみ始めます。
陣痛が始まってから、いきみ始めるまで初産婦で12時間程度、経産婦で7時間程度かかると言われています。

 

以下に、陣痛が始まってからの痛みの間隔や痛む場所、過ごし方などをまとめました。ただし、分娩の進捗や痛みの感じ方には個人差があり、入院のタイミングなどは病院によって指示も異なります。

 

陣痛の間隔 痛みの持続時間 痛みの場所 子宮口 過ごし方(一例)
8〜10分 20〜30秒 下腹部・腰 0〜2.5cm 病院へ連絡し入院する
3〜5分 30〜60秒 腹部・腰全体 4〜8cm 陣痛室で過ごした後、分娩室へ移動する。
1〜2分 約60秒 腹部・腰全体

外陰部・肛門

9〜10cm(全開大) 分娩台でいきみ始める

 

赤ちゃんが生まれるときの痛み

子宮口が完全に開いてから、いきみ始めますが、この間も約1分間隔で陣痛があります。赤ちゃんが降りてくるため、会陰部や肛門のあたりの痛みが強くなってきて、押されるような痛みと感じることもあれば引っ張られるような痛みと感じることもあります。

いきみ始めてから生まれるまで、目安として、初産婦で1時間、経産婦で30分ほどかかります。赤ちゃんが生まれた後に、胎盤を出すために軽い陣痛がありますが、5〜10分程度で終わることが多いでしょう。

 

陣痛や出産をリラックスして過ごすために

不安や緊張が強いと痛みを強く感じることがあります。痛みをできる限り緩和し、分娩を進めるためにもリラックスして過ごしましょう。

無理せず動いて休めるときに休む

陣痛が始まったときは、痛くて動けないというほどではないことがほとんどです。陣痛が微弱になると分娩が進みにくくなるため、歩く、しゃがむなど少し動くのが良いでしょう。立ったり、歩いたりしている方が楽だという方もいらっしゃいます。陣痛が来たタイミングでは、おへそを覗き込むように背中を丸めると赤ちゃんが下がってきやすくなります。

 

あぐらや横向き、四つん這いなど楽に過ごせる姿勢を探してみてください。そして無理をせず、休めるときは休むのも大切です。陣痛の合間の痛みのないタイミングで、ウトウトとできるくらいリラックスできると良いでしょう。


体を温める

体を温めておくと、血液の循環も良くなり、分娩も進みやすくなります。カイロや足湯などがおすすめです。破水していなければ、お風呂に入って全身を温めても良いです。汗をかいた時は体を冷やさないように着替えましょう。


体の力を抜いてゆっくりと呼吸する

痛みで息を止めると赤ちゃんにも新鮮な酸素が届きにくくなってしまいます。また、体の力が抜けると痛みが楽になりやすいため、ゆっくりとした呼吸を心がけましょう。陣痛が始まったときの呼吸法は、「ヒー・フーー」と3拍子のリズムで息を吐く方法や、ロウソクを吹き消すように「フー」と長い息を吐く方法があります。


いきむときも、緊張していると産道が固くなり赤ちゃんが出てきにくくなるため、ゆっくりとした呼吸を意識します。呼吸の仕方は、「ヒッ・ヒッ・フー」で有名なラマーズ法やゆっくりと長い息を吐くソフロロジー法などがあります。病院によって取り入れている呼吸法も異なるため、助産師に教わりながら行いましょう。

痛みが怖い方は無痛分娩がおすすめ

自分で痛みを緩和する方法を解説しましたが、痛みの少ない出産方法を選ぶこともできます。「普通分娩」か「帝王切開」しかないと思われがちですが、経膣分娩にもいくつか種類があります。いきみやすい方法で出産したいという方は「座位分娩」や「フリースタイル分娩」を選ばれる方もいらっしゃいます。

 

 

分娩方法(経膣分娩) 特徴
普通分娩 一般的な方法。ベッドタイプの分娩台に仰向けになって出産を行う。
座位分娩 上体を起こしたまま行う分娩。お腹に力が入りやすくいきみやすいのが特徴。
フリースタイル分娩 妊婦が自分で動いていきみやすい姿勢で行う分娩。立位、四つん這い、横向きなどさまざまな姿勢をとることがある。
無痛分娩 麻酔薬を使用することで痛みを和らげる分娩。対応している施設が限られている。

 

特に痛みに弱い、耐えられる自信がないという方は「無痛分娩」がおすすめです。無痛分娩では、背中から麻酔薬を持続的に投与し、出産に伴う痛みを和らげます。追加で費用がかかりますが、普通分娩ほど痛みを我慢せずに済むため、体力の消耗も抑えられて、産後も育児に集中しやすいなどのメリットがあります。

 

まとめ

出産時は、個人差はあ流ものの強い痛みを感じ、想定外の痛みの強さだったという方も多いです。

 

必要以上に心配することはありませんが、事前に心づもりしておくのが良いでしょう。痛みのあるタイミングや波を知っておくことで、合間で休憩したり、リラックスしたりしやすくなります。過ごしやすい姿勢や、落ち着きやすい呼吸法を試してみてください。出産方法も無痛分娩など選択肢が増えています。より安心で過ごしやすい出産のために、ぜひ出産計画を立ててみてください。

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