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Article陣痛・おしるし・破水など出産が近いサイン|出血が多い時の対処方法

コラム 2024.10.11

赤ちゃんとお母さんの手

出産を目前に控えると、いつおしるしや、陣痛、破水が起こるかわからなくて不安と思う方は多いでしょう。「陣痛前におしるしと呼ばれる出血がある」と聞いたことがあるかもしれません。しかし、いざ出血があってもこれが本当におしるしなのかわからないという方もいます。また、どのタイミングで病院に行ったらいいか悩むこともあるでしょう。

 

本記事では、おしるしや陣痛、破水などの出産のサインやその対処方法について詳しく解説します。出産時に慌てなくて済むように、入院や出産に備えましょう。

 

出産が近づいているサインは?

 

妊娠37週目を迎えると「正期産」と呼ばれる、いつ赤ちゃんが生まれてきても良い期間になります。そして、もうすぐ赤ちゃんと会えるサインとして、「おしるし」「陣痛」「破水」などが見られます。

 

出産が近いサイン 特徴
おしるし 少量の出血
陣痛 10分間隔のお腹の張りと痛み
破水 羊水が出てくること

 


おしるしは、出産の準備段階で見られる少量の出血のことで、陣痛が始まる前に起こることが多いです。しかし、おしるしがあってから陣痛が始まるまでの期間は個人差があり、なかには、おしるしがない方もいます。破水は、赤ちゃんの入っている袋が破れて羊水が出ることです。ちょろちょろと尿のような少量のこともあれば、出産まで破水しないこともあります。

 

それぞれの出産のサインについて、特徴やタイミング、対処方法について詳しく解説します。

おしるしとは?

おしるしは、量や色も人によってそれぞれです。おりものに混じっていることも多く、おしるしに気づかなかったという方も少なくないでしょう。また、出血量が多い場合や痛みを伴う出血の場合などは、早急に病院を受診する必要があります。

ここでは、おしるしの特徴や危険な出血との見分け方や、おしるしがあった場合の対処方法について解説します。

おしるしの特徴

出産が近づくと赤ちゃんの頭が下がり、赤ちゃんを包む卵膜の一部が子宮壁から剥がれます。その際、子宮壁にある細い血管が破れることで、少量の出血があり、これを「おしるし」と呼びます。

 

色は、ピンクや茶褐色、赤色などで、粘性があることが多いでしょう。下着に少しつく程度の少量の場合もあれば、生理のときのような量のこともあり、個人差があります。

 

ピンク

・茶褐色・赤色

粘度 粘性
少量〜生理のときのような量
回数 0〜数回

 

おしるしがあった2〜3日後に陣痛が来ることが多いようですが、当日のこともあれば1週間以上経ってから陣痛が始まることもあります。また、おしるしは、1回だけのこともあれば、出産まで何回もある方、全くない方もいます。おしるしがないとしても、出産はまだ先だと油断せずに、入院の準備をしておきましょう。

 

おしるしがあったらどうする?

まずは、生理用のナプキンを当てて、出血量や色を確認しましょう。おしるしは、出産の準備段階です。おしるしがあっても、陣痛が始まっていなければ、基本的にすぐに病院に向う必要がないことがほとんどです。

 

ただし、いつ陣痛が始まって入院になっても良いようにする必要があります。入院準備を済ませて、病院への交通手段の確認をしましょう。遠出は避けて、必要であれば家族に、出産が近づいていることを連絡しておきます。


おしるしではない、受診した方が良い出血は?

出産前の出血が、おしるしでない危険な出血のこともあります。早すぎる出血や、量が多い、痛みを伴う場合は、赤ちゃんや妊婦の命に関わる可能性もあります。早急に病院への相談や受診をしましょう。

 

病院への相談や受診が必要な出血や兆候

37週以前の出血

・出血が止まらない

・血が塊で出る、生理の2日目のような量

・休みのない痛みが続いている

 

妊娠37週以前の出血は早産の危険性があり、サラサラした色の薄い出血は、破水している可能性もあります。自分で判断がつかない場合は、すぐに病院に相談しましょう。

 

出血量が多い場合や、下腹部に休みのない痛みがある場合は、常位胎盤早期剥離の可能性があります。常位胎盤早期剥離は、お腹のなかで胎盤が剥がれることで、赤ちゃんへの酸素や栄養の供給路が絶たれてしまう危険な状態のことです。そのような場合、いち早く病院で対処する必要があります。

 

陣痛とは?

陣痛は、赤ちゃんを産むために子宮が収縮することで起こる痛みです。陣痛が始まると出産が近いことはよく知られていますが、出産までにかかる時間には個人差があります。
ここでは陣痛や、その前に起こる前駆陣痛、対処方法や病院を受診するタイミングなど詳しく解説していきます。


前駆陣痛とは?まだ陣痛は始まっていない?

まず、本格的な陣痛が始まる前に、不規則なお腹の張りや痛みを感じる「前駆陣痛」が起こることがあります。妊娠36週〜40週前後に起こることが多く、生理のような痛みや下痢のときのような痛みを感じる方が多いようです。

 

前駆陣痛は全ての妊婦に現れるものではなく、人によって前駆陣痛がないこともあります。また、前駆陣痛は、本陣痛と違い、痛みがどんどん強くなることや、痛みが起きる間隔が短くなることはありません。本陣痛かもしれないと思ったら、時計を見て、痛みの間隔を記録しましょう。

 

本陣痛が始まったとき対処方法や病院へ行くタイミング

痛みが10分間隔で起きるようになると、いわゆる「陣痛が始まった」状態となります。一般的に陣痛の間隔が、初産婦の場合は5〜7分ほど、経産婦の場合は10〜15分ほどになったタイミングで病院に連絡するのが目安と言われています。

 

陣痛が始まってから、初産婦で10〜12時間、経産婦で4〜6時間ほど出産にかかるとされていますが、個人差があります。慌てて受診しても分娩が進んでおらず、一度自宅に戻るケースも少なくありません。早く入院できて、出産が長丁場になって入院費用がかさむこともあります。

 

ただし、病院までの距離がある方や、前回の出産が早かった経産婦の場合は、それより早いタイミングで連絡したほうが良いこともあります。病院の方針によっても異なるため、事前に妊婦健診で、病院に連絡するタイミングを確認しておくと良いでしょう。

 

破水とは?

通常は、子宮口が全開大まで開いて、出産の準備が整った段階で破水をします。しかし、子宮口が全開まで開いていないときに破水することや、陣痛が起きる前に自宅で破水することもあります。破水した場合は、陣痛が始まっていなくても病院に受診する必要があります。ここでは、破水したときに気づけるように特徴や対処方法について説明します。

 

破水の特徴

破水とは、赤ちゃんの頭と子宮の内圧に押されて、赤ちゃんが入っている袋(卵膜)が破れて中の羊水が出ることです。

羊水は、透明か薄い乳白色で、血液が混じっていることで薄いピンク色をしていることもあり、サラサラしています。

 

破水の特徴
透明または薄い乳白色。薄いピンク
粘性 サラサラ
臭い 無臭〜生臭さを感じる
尿のように少量の

〜多量のことも

 

破水した量が少ない場合などは、尿漏れと見分けがつきにくいこともあります。尿は、独特のアンモニア臭がありますが、羊水は無臭や生臭さがあるため、臭いで見分けがつくこともあるでしょう。また破水は尿漏れと違って、自分の意思で止めることはできません。

 

卵膜の破れた位置や範囲によって、羊水の量は異なります。重たい荷物を持ったタイミングなどで勢いよく流れることもあればチョロチョロと出ることもあります。

 

破水したときの対処方法

破水をすると、赤ちゃんを包んでいた卵膜が破れている状態のため無菌を保つことができません。早めに破水をしても無事に出産できることがほとんどですが、放置して時間が経つと感染症のリスクがあります。

 

破水した時間を確認し、濡れた下着は替え、清潔なナプキンを当てて病院へ連絡します。ウォシュレットやシャワー、入浴をすると細菌感染を起こす危険性があるため、使用しないようにしましょう。

 

体を動かすと、その度に羊水が出てしまうため、なるべく動き回らないようにします。病院まで、車で送ってもらうときは、車のシートにレジャーシートやごみ袋を広げて、バスタオルを敷いた上に座ると良いでしょう。家族がおらず一人のときでも病院に行けるように、陣痛タクシーを登録しておくのもおすすめです。

 

まとめ

安心して出産ができるように出産直前のサインや、病院に行くタイミングを振り返りましょう。
自宅で様子を見た方がいいのか、病院への連絡や受診が必要かのポイントは以下の通りです。

 

・おしるしがあれば出産が近づいているが、まだ自宅で様子をみて良いことが多い。
・陣痛が来たら初産婦の場合は5〜7分ほど、経産婦の場合は10〜15分ほどで病院へ連絡する。
・破水した場合は病院へ受診する。

ただし、前回の出産にあまり時間がかからなかった場合や、妊娠高血圧などの病気がある場合などもあります。他の症状があるときなどは、すぐに病院を受診した方が良いこともあるため、わからないときは病院へ相談するようにしましょう。

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