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Article陣痛中の痛みを効果的に逃がす5つの方法!無痛分娩についても解説

コラム 2024.10.09

「出産のとき陣痛に耐えられるか不安」「陣痛の逃し方があれば知りたい」など、陣痛に対する不安や疑問をもつ妊婦さんもいらっしゃるでしょう。

陣痛中の痛みの感じ方には個人差があるものの、一般的に初産婦さんの方が経産婦さんよりも痛みを強く感じやすいといわれています。過度な痛みは不安を助長し身体的にも体力を消耗します。

そこで、この記事では効果的に陣痛中の痛みを逃す方法を5つ解説します。

痛みの逃がし方には呼吸法や楽な姿勢、腰のマッサージや痛みを和らげる効果のあるツボ押しなどがあります。

立会い出産の予定がある方は、事前にご家族へ情報を共有しておくのも良いでしょう。

また無痛分娩についても解説しますので、痛みに対する不安が大きい方は、選択肢の一つとして主治医と相談する方法もあります。少しでも痛みに対する不安が軽減され、前向きな気持ちで出産にのぞめるよう役立ててみてください。

陣痛中の痛みを効果的に逃す5つの方法

陣痛中の痛みはお産の進行によって、痛みの間隔や痛みを感じる場所が変化します。

陣痛とともに「いきみ」と呼ばれる赤ちゃんを押し出そうとする力も感じますが、赤ちゃんが降りてくる準備が整わない間は、いきみを逃す必要があります。

陣痛中の痛みやいきみを効果的に逃す方法は、主に次の5つです。

1.呼吸法を実践する

2.楽な体勢をとり体をあたためる

3.腰のマッサージ

4.痛みが和らぐツボを押す

5.気持ちが落ち着く方法を準備しておく

それぞれの項目を詳しく解説しますので、痛みや不安の軽減に役立ててみてください。

1.呼吸法を実践する

痛みを逃すための呼吸法として代表的な方法は、次の2つです。

・ソフロロジー法

・ラマーズ法

それぞれの特徴や違いについて解説します。

ソフロロジー法

ソフロロジーは呼吸法だけをさすものではなく、元はフランスからヨーロッパにかけて広まった精神の安定と調和をはかるための学問です。

日本に紹介されたのは30年以上前で、出産の不安や痛みへの恐怖心をプラスに変える方法として、ひろく導入されています。

ソフロロジー法の基本は、次の3点です。

・妊娠中からのイメージトレーニング

・陣痛の痛みをやわらげるための呼吸法

・余計な力みがなくなるエクササイズ

なかでも、陣痛中の痛みをやわらげるための呼吸法について解説します。

ソフロロジーの呼吸法は、とにかく「ゆっくり息をはく」ことに集中するのが大切で、お産の進行具合にあわせた具体的な呼吸方法は次のとおりです。

お産の進行具合 呼吸方法
陣痛が始まったとき ・ろうそくを長く吹き消すイメージで全身の力を抜く
子宮口が全開したとき ・陣痛の波が強くなってきたら、痛みの波に合わせて息をとめずに少しいきむ
赤ちゃんの頭が見えてきたとき ・再び長く息を吐きリラックスする

・産道が緩み、赤ちゃんが自然と降りてくるのを促す

ソフロロジーでは陣痛を「赤ちゃんが生まれてくるために必要なエネルギー」と捉え、お母さんがリラックスして出産するため、赤ちゃんが元気に生まれてくることにもつながります。

ラマーズ法

ラマーズ法は出産の痛みに対する恐怖心を、呼吸反射に切り替えて痛みを緩和させる方法でお腹をさするような補助動作を組み合わせて行います。

フランスで生まれたラマーズ法は、1970年代に日本で広まったといわれています。

お産の進行具合にあわせた具体的な呼吸方法は次のとおりです。

お産の進行具合 呼吸方法
陣痛が弱いとき ・深呼吸をしてゆったりと3拍子のリズムで「ヒー・フー」と息をはく
陣痛が強くなってきたとき ・鼻から息を吸って「ヒッヒッフー」とはき出す。陣痛が強くつらいときは「フーフー」と可能な限り長めに息を吐き、いきみを逃す
子宮口が全開したとき ・いきむタイミングで「フーウン!」と思いっきりいきむ
赤ちゃんの頭が出てきたとき ・全身の力を抜いてゆっくり「フーフー」と深く息をはく

・一回のいきみで出てこなかった場合は、次の波がくるまで力を抜き、「ハッハッハッ」と息をはき続ける

いきむ際に呼吸を止めることが、赤ちゃんへの酸素供給量の減少につながるという理由で最近ではソフロロジー法を導入する産院が増えています。

2.楽な体勢をとり体をあたためる

腰や足の裏を温めると血行がよくなり筋肉の緊張がほぐれるため、痛みが和らぎます。

靴下やホッカイロを使用したり、足湯もいいでしょう。破水していなければシャワーで温まる方法もあります。

また痛みを逃す楽な体勢には、次のようなものがあります。

・大きいクッションなどを抱え込むようなにうつ伏せになる

・あぐらや膝を開いて正座する

・床に肘をついてよつばいになる

・横向きや少し前にもたれかかる

・足を前後や左右の肩幅に開き、壁に手をついてもたれかかる

楽な姿勢は人によって違うため、自分に合う安定した体勢を見つけましょう。

お産の進行具合によっては、医師や助産師さんの指示に従いましょう。

3.腰のマッサージ

陣痛を緩和する方法として腰をマッサージする方法があります。

マッサージを行う場合、陣痛の進行とともに痛みは徐々に腰からお尻のほうに移動するため、マッサージの場所や方法にポイントがあります。

お産の進行具合 マッサージの場所やポイント
前駆陣痛~3分間隔 ・基本は上から下に、腰全体を手のひら全体でじんわりさする

・直線または円を描きながらさする

陣痛3~2分間隔(赤ちゃんが降りてくる) ・骨盤の真ん中あたり、仙骨を円を描くようにさする

・痛みの強さにより、こぶしを回すようにぐっと押すようにマッサージする

陣痛2~1分感覚(分娩直前) ・お尻を下から突き上げるように押す

・手の代わりにテニスボールを使っても効果的

パートナーが出産に立ち会う場合は、マッサージ方法を共有しておきましょう。

マッサージの強さの心地よさは人によって違うため、手のひらや指圧、場合によっては硬式テニスボールを使うのもよいでしょう。

4.痛みが和らぐツボを押す

ツボは経穴(けいけつ)とも呼ばれ、全身には約700個のツボが存在するといわれています。

ツボの多くは神経を通して臓器や身体の各部分とつながっているため、ツボを刺激すると離れた場所の症状をやわらげたり、活性化させたりする効果を発揮します。

陣痛の痛みを緩和するツボには、次のような場所があります。

・合谷(こうごく):親指と人差し指のつけ根がまじわるところ

・三陰交(さんいんこう):内くるぶしから上に指4本分のところ

・至陰(しいん):足の小指の外側かつ爪の付け根のところ

・腎兪(じんゆ):ウエストラインの背骨から指2本分外側のところ

ツボは押すだけでなく、温める刺激でも効果があるといわれています。

ツボを押すことで血流促進や痛みを緩和する効果があり、リラックス効果も期待できるため体の負担を少しでも軽減し前向きにお産にのぞむ手助けになるでしょう。

5.気持ちが落ち着く方法を準備しておく

不安な気持ちは体を緊張させ痛みを増幅させるため、出産に関する不安の軽減も大切なポイントです。

不安を取り除くポイントには、次のようなものがあります。

・出産の流れを知る:両親学級への参加、イメージトレーニング

・余裕をもって陣痛や出産の準備をする:荷物や連絡先など

・リラックスできる環境を整える:呼吸法、アロマ、自分がリラックスできるものなど

・パートナーと情報共有しておく:立ち合いやマッサージ方法について

・スタッフとコミュニケーションをとる

人は自分が経験したことのないものに不安や緊張を感じやすいため、出産の流れや陣痛の進み具合について事前に情報収集やイメージトレーニングが重要です。

また呼吸法やアロマなど自分がリラックスできる方法も準備しておきましょう。出産時に持ち込みたいものがあれば事前に産院に相談しておきましょう。

痛みへの不安が強い場合は無痛分娩も検討

陣痛への強い不安がある場合、分娩への影響を考慮し無痛分娩がすすめられるケースがあります。無痛分娩とは麻酔による鎮痛剤を使用しながら、分娩時の痛みを軽減させる出産方法です。

あくまで最低限の痛みを抑える手段のため全く痛みを感じないわけではありませんが、強い痛みや不安は軽減されるでしょう。

出産時の痛みが軽減できるため、体力を温存しながら落ち着いて出産できるのが無痛分娩の利点です。

一方デメリットとしては陣痛が微弱になり分娩が長引く可能性や赤ちゃんが出てくるのを助けるために、器具や陣痛促進剤をつかったりする頻度が増えることです。

また硬膜外麻酔の副作用もデメリットのひとつで、頭痛や足のしびれなど自然に軽快するものから、感染症や硬膜外血種など処置を要する合併症があります。

メリットやデメリットを正しく理解したうえで、無痛分娩を検討したい方は医師へ相談してみましょう。

まとめ

陣痛の痛みを逃す方法として、呼吸法の実践や楽な姿勢をとる、腰のマッサージやツボ押しがあります。

不安や緊張は痛みを増幅させるため、出産の流れや事前準備、パートナーや医療従事者とのコミュニケーションも大切なポイントです。

痛みに対する不安が強い場合は、無痛分娩も視野に入れて医師に相談する方法もあります。

陣痛の痛みを逃す方法を実践し、痛みや不安が軽減され前向きな気持ちで出産にのぞめるよう役立ててみてください。

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